【少女が結婚する理由2】-パキスタンのひとつの事例-
プロポーズの行方を、親類縁者が、固唾を呑んで見守っていた。
私は漠然と「NO」だろうと予想していたが、
数日後、なんとアリーナは、プロポーズを受け入れたのだった。
アーデルもC氏も、その家族も大喜びだ。
親類縁者も、予想外の新しいカップルの誕生にお祝いムード。
アリーナの母親も、「とてもいい話をもらえて、本当によかった」と言っている。
みんなが口々に「おめでとう!」という中、
私は困惑して、その言葉が出てこなかった。
結婚したくないといっていたのになぜ?
今まで「男」として意識したことのない身内と、どうやったら結婚できる?
彼女と2人きりになるチャンスを待って、
私の中のさまざまな疑問や質問を、アリーナにぶつけてみた。
彼女自身、「まさか自分に結婚の話があるなんて」と呆然としたらしい。
アリーナは言った。
「アーデルのことを、私はずっと“お兄さん”って呼んできたの。
実際、お兄さんとして以外、考えられなくって。
どうやったら結婚できるっていうのって、ママに泣きながら詰め寄っちゃった。
でも、冷静になって考えてみなさいって、ママがいうのね。」
「彼はとてもいい人だし、寡黙でまじめ。
子供のころから私のことをよく知っているし、私も彼のことをよく知っている。
写真をみただけの人じゃないから、結婚した後1から10まで探りあう必要もない。
義理の家族になるアーデルの両親やきょうだいのことだって、
もちろんよーく知ってるわけ。」
「いつかは誰かと結婚しなきゃいけないんだったら、
全く知らない人より、知ってる人のほうがいいかなって思って。」
「プロポーズの後に、アーデルが私に、
“学校も卒業して、仕事もしたいなら遠慮しないで。
君の自由だし、あせっていないから”って言われたの。
それに、“確かに両親が結婚の話を持ってきたけど、
僕も君と結婚したいと思ったから、申し込んだんだよ”って言ってくれたのね。
それが決め手になったかな。
それに、この話を断ったりしたら、身内の中のことでしょ、
たくさんの人が、傷つくじゃない。」
今はまだ、現実味はないけれど、婚約式を終えたころに実感すると思うと、
彼女は締めくくった。
良い悪いは別として、自由に恋愛をし、結婚の選択ができる私の立場からすると、
「親が決めた人だから間違いない」と言い切れるのは、すごいなと思ってしまう。
同じような言葉を、複数の既婚女性からも聞いているから、
この感覚というのは、やはりパキスタン女性独特のものだろうとも感じた。
また、話を聞いていて思ったのだが、パキスタンの男性も女性も、
「この人と結婚したら?」と相手を紹介された瞬間に、
相手を恋の対象として、意識し始めるのかもしれないな…と思った。
「幸せ?」私がそう聞くと、花が咲いたような笑顔になり、
「Why not(もちろん)」という答えが返ってきた。
その笑顔と力強い答えに、私もやっと心のもやもやが取れて、
「おめでとう。幸せになってね」と彼女に伝えることができた。
20歳の彼女が結婚式を挙げるのは、早くても3年後ということ。
少女のままでいられる独身時代を彼女なりに満喫し、
幸せな結婚生活を送ってほしいと、今から願わざるを得ない。
※この初々しいカップルは、無事に婚約式も終え、
携帯のショートメールを活用して、
以前にもましてコミュニケーションを取っている様子。
初恋のカップルのようで、見ていて本当にほほえましい2人です。
Posted by umisora_earth at 18:38│
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