May 15, 2007

【少女が結婚する理由1】-パキスタンのひとつの事例-

2006年11月下旬。20歳のアリーナの元に、結婚の話が舞い込んできた。

アリーナは、これから短大に通い始めようかというところ。
バービーの缶バッチを、喜んでコレクションしている。
体つきはもちろん、考え方や趣味なども、女というより少女のようだ。
映画やドラマの中で、恋愛の疑似体験はしていても、
果たして男と女のことを、ちゃんと知っているのだろうか・・・
と思ってしまうくらい。

アリーナのお姉さんが、11月上旬に21歳の若さで結婚したが、
アリーナからは
「私はお姉さんみたいに、早く結婚したくないわ。大学も卒業したいし、
いい仕事があれば、仕事もしてみたいし。」と聞いていた。

そんな彼女に、プロポーズ?結婚!?
私は耳を疑った。


パキスタンでは、親が結婚相手を決めるのが一般的だ。

結婚前の男女の付き合いは、公にはご法度の国だから、
結婚相手がお互いの「初恋の相手」になるケースがほとんど。
恋愛結婚もあるにはあるが、かなり稀(まれ)だろう。 

結婚相手を決めるパターンとしては、私の知っている限りだが、
下記のようなものがある。

・ごく近い身内で、幼い頃からの家族で行き来している。
 本人同士も話す機会も多く、気心が分かっていて、相手を憎からず思っている。
 それを察した双方の両親が「この2人なら」ということで、
 結婚を決める(ちょっと恋愛の要素が入っている)。

・ごく近い身内で、男性側の両親が「この子なら!」と見極めて、
 女性側にプロポーズする。

・遠い身内、あるいは誰かの紹介。どこかで「あの子はいい子だ」
 「性格も***らしい」などの情報、そして女性の写真が回っているらしく、
 適齢期の女性とその家族のもとに、男性側の両親からプロポーズがある。
 男性側は写真やプロフィールなどを添えて。人気のある女性のもとには、
 かなりの数のプロポーズがあるというから驚きだ。
 女性側は話し合い、女性本人の了解のもと、プロポーズを受け入れる。

・参加した結婚式などで、男性が女性を見初める。
 男性は自分からは絶対にアピールできないから、両親にお願いしてみる。
 両親がOKだったら、両親から女性側にプロポーズをする。

・仕事上の利益を求めた結婚(政略結婚?!)

・純粋な恋愛結婚。

上記のパターンのうち、ごく近い身内である、
“いとこ”や“はとこ”同士の結婚が、もっとも多いと思われる。

そのような結婚が非常に多いのは、家族同士の交流もあり、
お互いの気心も知れていて、その家がもつ独特の習慣・文化を同じくする2人なら、
問題なくうまくやっていけるという両親の計算があるからだ。

アリーナの結婚話も、
ごく近い身内である“はとこ”のアーデルからまいこんできた。

アーデルは6人きょうだいの長男で、28歳。
彼のお父さんC氏は、政治の世界にも知り合いがいる、町の実業家だ。
もちろん、お金には困っていない。

C氏は幼い頃からアリーナの人となりを見ていて、
「この子なら、うちのアーデルにぴったりだ」ということで、
プロポーズをしたらしい。

もちろんアーデル自身も、親から話を聞いて、
「彼女だったらよろこんで」と了解をしている。

28歳のアーデルに対して、アリーナはまだ20歳。
若いとみんなが思ったが、C氏いわく、
「近い将来、アリーナにはたくさんのプロポーズが舞い込みそうだから、
 先陣を切った」そうだ。

アリーナ自身の魅力もそうだが、
何よりアリーナの父親がすでに他界しており、
片親で育った娘さんのもとには、若いうちからプロポーズが集まるものらしい。
周囲もびっくりする、まさに電光石火のプロポーズだった。


【続く】

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